私を成長させてくれた「出会いと別れ・・・」 後編
3月30日(日曜日) ロンドン出国の朝。
この日からサマータイムに切り替わったおかげで、
時計は一時間早まり、5時40分をさしていました。
まずまず予定通りで、駅に到着できそうです。
どこがサマータイム?って感じのこの寒さ。
まだまだ夜明けにはほど遠く、あたりは暗く街は静まりかえっています。
「えっ~!?」「何でぇ~!?」 絶叫!する Miss AI 。
いつも通い慣れていたロンドンチューブの駅の様子が変!?
駅の入り口は真っ暗!しかも・・・シャッターが閉じられていました。
冷たい雨が無情にも強く降りだしました。
パニック状態になる a i ちゃん。
「ごめんなさい!事前に調べておくべきだったわ!」
「私のせいです!ごめんなさい!・・・・・」
いったい?何が起きたのか・・・・?
理解できていない私。
※ この日の地下鉄は日曜日で運休だったのです。(路線や時間帯によって)
但し、センターラインは主要路線なので、常時運行しています。
a i ちゃんは右往左往しながら、駅の電光掲示板を見ていました。
向こうから一台のバスが私たちの目の前を通り過ぎようとしています。
行き先は・・・「センターライン」と表記。
バス停はたったの20メートルほど先です。「ラッキー!」
「あれ!」「あのバス・・・!」と、必死で追いかけようにも、
荷物を持って追いつける距離ではなかったのです。
「あっ!」という間にバスは発車して行ってしまいました。
どこかに電話をかけようとしているa i ちゃん。
私は手を挙げ、タクシーを拾いました。
「勝手にタクシーなんか停めてはダメ!」
「だから日本人は危機管理に疎すぎるんです!」
「旅行カバンを持って、女・一人でタクシーに乗るなんて・・・!」
「ここは外国よ!。危険がいっぱいなのよ!!」
あれほど血相を変えたa i ちゃんの顔は見たこともなく・・・。
やっとこの状況が理解できた私は もう開き直るしかなかった。
と、その時・・・・
「あっ!コイン見つけたよ。」「1P・ラッキーコインよ!」
「a i ちゃん!見てぇ~。」 「そんなに心配しなくて大丈夫だって」
「きっと、私はどうにか帰れるわよ!」

その言葉は、a i ちゃんに届いていませんでした。

雨に濡れた駅前 歩道に・・・ひと際キラリ輝く「ONE PENNY 」。
パニック状態の中で、その光が私の目に飛び込んで来たのです。
今でも不思議に感じます。 (1P・コインはこれで2度目の拾得)
次のバスの到着時刻など・・・空港へ向かう交通手段を
必死でチェックしていたはずだったのに・・・。

a i ちゃんは電話で「キャブ」(日本のハイヤー・タクシー)の手配中でした。
「一旦、家に戻りましょう!」と、電話を切ったa i ちゃんは、
家の住所から送迎用のキャブの手配(交渉)をしてくれていました。
「Don’t Worry !」・・・・・
笑顔で そう言ってトランクに私の荷物を積み込む運転手さん。
空港に向かって車は走り出しました。
どれほどのロスタイムを費やしたのか・・・(時計とにらめっこする私)
あとは もう この運転手さんに委ねるしかありません。
「キャブだと空港まで1時間半かかるって聞きましたが、ここから、どれくらい時間かかりそうですか?」と、a i ちゃんが運転手さんに尋ねます。
「大丈夫だよ!俺に任せな~!」
と、スキンヘッドの黒い肌から真っ白な歯がニヤリと見えた。
お相撲さんか、プロレスラーを思わせるほどの大きな体格。
「飛行機の時間は・・・?」と、運転手さんに聞かれ、
チケットをどこへしまったのか?車内で慌てる私。
「8時40分発。4番ゲート です!」
興奮のあまり、私も a i ちゃんも話す声も大声で話し込んでいました。
(時計の針は6時50分をさしていました)
すると・・・運転手さんはラジオのボリュームをMax にして、
何やら不機嫌そうに変貌していきました。
後部座席から興奮して話す日本語が耳障りで気に入らないらしい。
走行中、後方から走ってくる車のヘッドライトが眩しく、
それが運転手さんの気にさわったのか?
ちょうど信号待ちの時、後方の車と平行になるようキャブは停車し、
相手の運転手に対して、激しく口論を仕掛ける。
ビックリ仰天!!
信号が青に変わっても、双方とも譲らず口論がつづく・・・。
相手の車が走り出し、私たちを乗せたキャブが後を追いかける。
まるで、映画のカーレースみたいでした。
交差点でその車は曲がって進路を変更。
私たちを乗せたキャブは直進のまま・・・。スピードをあげた。
「ホッ!」と一息つくも間もないその瞬間・・・。
また前方を走る別のキャブがノロノロ運転。
ハザードを点灯しながらも、路肩に寄ることもなく進路妨害。
運転手さんは、それに またイラッ!ときたのか・・・?
今度も ピッタっと 相手のキャブに幅寄せし、並列に駐車。
えっ!?停車するの・・・・?!! (段々不安と恐怖を感じる私たち)
空港に到着できるかどうかより、身の危険すら感じる状態になった。
相手のキャブも、お客さんを乗せていました。
ちょうど、ドアーが開きお客さんが料金を支払っているのが見えました。
なかなか発進しようとしない私たちを乗せたキャブ。
窓を開け 何やら大声で怒鳴る運転手さん。
罵声を無視して売り上げ金を数えている相手の運転手。
あ”~もぉダメ!!殴り合いの喧嘩でも始まりそうな気配。
罵声を浴びつづけられても、やけに相手の運転手が冷静すぎる・・・。
相手の運転手も、もうこれ以上の罵声には我慢できないはず。
そろそろ爆発しちゃうかも・・・。

双方の運転手さんが これ以上興奮しないよう、私は祈るだけ。
英語がわからなくても、双方の運転手同士がどんなやり取りをしてるのか、私は耳を覆いたくなるくらい嫌な気分でした。不安で不安で怖かった。
ふと a i ちゃんが小声で私に耳打ちしてきた。
「あのね・・・この二人は同僚みたいよ!」
「おまえの運転テクニックが悪いよ!ってジョーク言ってるみたいよ。」
そんなジョーク言い合ってる場合じゃないでしょ!!
空港へ急いで欲しいんだけど・・・と、私は腹が立ってきた!
だけど、どこまでジョークかどうか判らないので、日本語は禁物!
隣のa i ちゃんの顔色は、ひどく青ざめているのに気づく私。
a i ちゃんとはそれっきり、言葉も交わすことなく、
ただ じっと座席シートに縛られていた気分の二人でした。

次回へ つづく

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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